読書記録7月~10月総まとめ
今日は夜更けにこんばんは。11月も半ばを過ぎ、夜がだいぶ冷えるようになりました。そろそろ冬も近づいているなあと思う反面、きれいな赤色に染まった紅葉を見るとまだ秋は死んじゃいないと感じます。
今回はさぼっていた読書記録の大放出です。その中から面白かったものを何個か紹介します。
・7月
嘔吐/サルトル
孤独と人生/ ショウペンハウアー
論理哲学論考/ ウィントゲンシュタイン
・8月
存在と苦悩/ ショウペンハウアー
ヴィルヘルムマイスターの修業時代上/ ゲーテ
オーヘンリー傑作選
・9月
ヴィルヘルムマイスターの修業時代中下/ゲーテ
・10月
高慢と偏見上下/ ジェーンオースティン
知性改善論/ スピノザ
イワンイリッチの死/ トルストイ
教団x/ 中村文則
審判/ カフカ
読書量は週に一冊くらいのペースです。昔は一気に全部読みたい派だったのですが集中力の低下と少しずつ読んで続きを読むために思い出すことで記憶の定着をさせたいのでこのくらいのペースに落ち着きました。10月くらいから少しペースが速くなってきているかもしれません。
それでは印象深い作品の紹介です。
一作目は嘔吐です。実存主義で知られているサルトル氏ですがこの著作でもその思想は表れています。世間に息苦しさを覚えている主人公が一つの答えを見つけるのですがそれが私の将来の指針に大きく関わることになっています。何かの表現をしたいと思っている芸術系の人間にお勧めです。
原題はアフォリズム(箴言)らしいです。先ほどの嘔吐のあとに悲観主義に興味を持ちおすすめを検索していたらこの人に出会いました。ショーペンハウアー氏は結構過激なことを言います。例えば「群れている奴は自分を持っていない薄っぺらい人間」「女性は劣っている」「ヘーゲルはクソ」のような感じです。この人の生きている時代や背景もあり全ての意見を受け入れはしていませんがこの現代社会で生きていくことに半ば絶望していた私に安心を与えてくれました。私の思想については以前紹介した通りですがあの思想を肯定してくれたからです。
オーヘンリーの短編集です。短い中に技巧を凝らした文章で驚きのオチを提供してくれます。ハッピーエンドもビターなものもあります。起承転結のしっかりした非常に完成度の高い作品ばかりでおすすめです。
この三作品が印象に残っています。モーパッサンも面白いのですが基本的に悪い方向に物事が進んでいくので人を選ぶかもしれません。自然主義的な文学は心にきますから。
11月は哲学を読んでいるのでペースがめちゃくちゃ遅く紹介も少なくなりそうです。
以上。ありがとうございました。
オタクでさえなくなった私へ
おひさしぶりです。約二か月ぶりに姿を現した私ですが特に病気であったりしたわけではありません。ものぐさな私に打ち勝てずついぞここまで時がたってしまいました。ブログという媒体に手を出しては更新が途絶える筆者が多く、私も多分に漏れずというわけです。誰も見ていないブログですし言い訳をする必要があるかといえばないのですが。
久しぶりの更新に何を題材として書こうかと考えたのですがブログの副題にある通り、「オタクのありのままの姿を」というように私の属性の一つにオタクというものがあります。しかしそれの消滅が危ぶまれているので現在の私は何を名乗ればよいのかと考えていきたいです。
そもそも私が今まで見てきたアニメの総本数は非常に少なく、放送されているアニメをあまり見ず(一クールに多くて10作品)少し古い有名作品か名作作品を見ていました。それに加えてアニメを見るモチベーションが高まった時にまとめてみることが多かったので少なくなったと思います。こういう見方をしている問題点というのは名作の見過ぎによるアニメ審美眼の下手な向上です。下手に名作ばかり見ていると放送されているアニメと比べてしまい、すぐに粗を見つけつまらないと評価を下してしまいます。これはアニメだけではないと思いますが。こういう経緯でアニメが面白く感じる確率が減少し、見ることも少なくなっていきました。
そこで私が手を出しているのは読書です。アニメにはまる前までは少しは読んでいたのですが高校、大学とアニメに結構浸ってきたので距離をとっていました。読書というのはアニメやゲーム、Youtube視聴に比べて娯楽として必要なエネルギーが多く必要になると感じます。視覚、聴覚をつかって感じられるものではなくある程度作中で起こっている出来事を想像しなければなりません。また、風景や感情を見たままに受け取れず描写を読み取らなければならないので少し手間になります。前者のような比較的手ごろな娯楽の登場で若者の読書離れが進んでいくのは仕方がないことなのだと思います。頭ごなしに若者は本を読まなくなったからバカと否定するのは背景を理解できていないとさえ思います。では私が読書をするようになったのはなぜなのかというとそれは書物の多さからです。読書の歴史というのはアニメ、映画の歴史と比べてはるかに長くその分一生かかって全書籍の1%だって読めやしないと思います。そんな大量の過去を娯楽としたら単純に飽きることはないのではないかと考えたのです。お金もかからないですしね。
さて、アニメから読書にシフトした私ですが趣味を読書とするとどんな作品を見るのかと問われると思います。一般的に読まれることが多い東野圭吾、有川浩等の作品を一切読んでいないのでコミュニケーションの手段として使うのが難しいです。かといって読書を始めたばかりなので読書屋さんとして話すのも抵抗があります。私の好きな作者はショーペンハウアー、坂口安吾、綾辻行人なのでなおさら中途半端です。この微妙にものを知っているというのが私の長所であり短所だと思うのですが走り出したからには少しずつでも知識を増やしていきたいです。
最終的に私は自分でものを作り出したいと思っています。ですから今は勉強期間ということで雑に収めたいです。一応学生ですのである程度研究もしなければなりませんし、社会人になってから本を読んでいる私を土台として創作ができたらなと思っております。
最後の方によくわからなくなっておわるのが本ブログの特徴です。ご拝読ありがとうございました。
利他行為を美徳とする世界で
お久しぶりです。少し間が開いてしまいましたね。本を読む時間を多くとっていたら書く時間を逃していました。文化人ですね。
今回は人の役、世間の役に立つということを教育されてきたことで苦しむ人に対して考えることを書いていきたいと思います。
社会で問題を起こさないように集団生活を送る。これが社会性を身に着けた大人の振舞であり、利他的な行動をすることでスムーズに溶け込めるようになります。私のような幼稚園に通っていた時から人の役に立ちたいと一度も思ったことがない人間はあまりいないのではないでしょうか。最初に断っておくのですが私が正しいという主張をするつもりはありません。ご了承ください。
利他行為を美徳とするあまりにしばしば自分は自己中なのではないかと思い悩む人がいます。自分の事しか考えていない、相手の気持ちを思い図れなかった。そんな悩みを持った方もいるかと思います。私がこういう場合に思うのは自己中なことをそれほどまでに悩む必要があるのだろうかということです。世のため人のために生きることは表面上自分を捧げているように見えます。しかし、こういった行動をする際本当に自分のことを排しているのでしょうか。相手からの感謝が嬉しい、苦しんでいる人が助かるのにほっとする……そういった感情はあくまで自己の中に生まれる主観的なものでしかないと私は思います。もちろん施しを受けた相手は本当に喜ぶのでしょうが、そういう人を助けるときには相手がつらそうで自分が心苦しい、悲しいから助けたいということになるからなのです。
そのために自己が自己のことを考えるのは当然であり、他人のために行動しなければと縛られることはないと思います。だからといって危害を加えるのはまた話が違って、理性の問題になってきます。
結論として自己中心的であるということは当然であり、それに悩むことは全く意味のないことだと私は考えているよ。という話でした。
それではまた。
オクタのアニメセレクション5
こんばんは。最近野球観戦をしたんですがあんなに下品でしたか?選手に対して死ねだの帰れだのと野次が飛んでいました。恐ろしいです。
さて五回目のアニメ紹介です。今回は「ef」というアニメについて紹介します。
ゲームが原作の本作品ですが私は原作をやったことがありません。原作の方が好きとの声も結構聴きますので「ef」のすべては伝えられないと思います。ご了承ください。
この作品はオムニバスのような形式をとっており主人公とヒロインが4組存在します。三組はヒロインに過酷な状況が蝕んでおり、もう一組は男側に問題があります。それらに対して向かい合って恋愛をするというストーリーの仕掛けとしては王道なのかなと思います。
この作品の私が最も素晴らしいと思う点は演出です。実はこの作品シャフトが制作しているのですがシャフトといえば独特な演出で知られています。時に過剰な演出を行い賛否両論が飛び交うこともあります。しかし私は「ef」に関しては大正解だったと思います。
上記の画像はあるヒロインが主人公に対してメンヘラ気味になった時の一場面なのですがこのような文字が画面一面に埋め尽くされます。初めてみたときは度肝を抜かれました。基本的に誰かしら闇を抱えているのでこのような心に訴えかけるような演出で魅了してくれます。
ストーリーで好きなのは記憶が13時間しか持たない少女の話です。この話はとても上手くできており、物語の過程でこの少女と付き合っていくのには相当の覚悟が必要であるということを重く突きつけラストまで走り抜けてていきます。クライマックスでは息をのみました。
それと私はこの作品のopがとても好きです。「ef」は二期構成になっているのですがどちらとも好きです。音楽はもちろん映像が素晴らしいんですよね。ストーリーに非常によく合っていて、なんだかオシャレです。また、最終回の方では少し演出が変わって感嘆します。余談ですが「ef」のopは私の中でtop5に入るんですが、1位は「忘年のザムド」の曲です。opedすべてがカッコいいです。1クール目のop「Shut up and Explode」がお勧めです。
今回の作品はストーリーはなんか見たことあるなと思う方がいるかもしれません。しかしこの作品の演出のすさまじさは他に類を見ません。アニメ作品としてのレベルが非常に高いと思います。是非見てください。
以上です。ありがとうございます。
思想と読書
こんばんは。梅雨も終わりかなと思ったところで追い込みをかけてきました。耐えねばなりません。これから待ち受けるさらなる敵(暑さ)と戦うために。
人間生きているうえで何も考えないということは何もないと思います。人生についてであったり、将来であったり、人間関係であったりと何かしら考えます。今回のテーマはそんな思想と読書について最近すごく実感したことがあるので書こうと思います。
高校生、大学生くらいになると「病む」という現象に陥りやすくなります。基本的にこれくらいの年齢では自由度が増え、暇な時間が増えるからです。そんな暇なときにふと自分のことについて省みたりします。そこから沼にはまるのです。そんな経験を経て自らの人生観、人間観についてある程度固まると思います。私もそれなりに持っています。そこで私が考えていたのは自分は天才というわけではないのでこの考え方を思いついた人が過去に必ずいるということでした。そんなことを考えながらも時がたちました。そして最近私が考えていたことが書いてある書物に出会ったのです。一つはサルトル著の「嘔吐」、もう一つはショーペンハウエルの「孤独と人生」です。この年までサルトルもショーペンハウエルも読んでこなかったという指摘は恥ずかしくなるのでやめてほしいです。内容については後日触れるとして、私は自分の考え方、感じ方が誰かによって明確に言語化され肯定されたことに安心感を覚えました。
私の今回のいわば保障された考えというのは
・他者と自分から関わらない。そして一人でいることが苦でない。
・俗世とのかかわりをやめたい。厭世観。
・「楽しい」に対する共感性のなさ
これだけ見ると完全に社会不適合です。いや今の社会にはおそらく不適合です。不適合であること自体は覆らなかったのですがショーペンハウエル氏は幸福に生きるには自分の精神のなかで世界をどう考えるかに依存し、それに満足することで生まれる。と言っており他者からの影響はこれに比べて小さいとのことでした。そして自分のなかでモノを考え、満足する人間は他者との関りを避けるとのことでした。これが正しいと言えるかは私には答えられませんが、私はとても満足しました。
上記のような考えができる人間を精神的貴族と表していました。とても気に入りました。
自分は妥協でも諦めでもなく自分自身に満足しており、この現状で生き続けていければ良いと思っています。これが私の人生の歩み方です。自己の能力を受けいれ、根柢の考えは変わらないということを認めています。そのために欲求があまりないのだと思います。娯楽もアニメや読書で退屈はしません。それを他人に話さなくても自分で結論を出せば満足しますし。私には友人が少ないですがいます。こういう私ですので自分からはほとんど誘わないのですがこの人たちとはなぜ関わっていられるのかと考えて、それは昔からの間柄でありノリが完成されているので心地が良いのだろうというという結論に至りました。友人だけでなく恋人にも恵まれています。私も人間ですので虚無感に陥ることもあります。そんな中自分を必要としてくれる人がいるのは心が楽になるのです。これだけあれば他に必要なものも思い浮かばず自分を受け入れられます。金はなくては困りますが、別に多くても欲しいものがありません。金銭は手段ですし。先ほども言ったように現状を守って、読書やアニメ鑑賞ができれば良いのですから。自己の成長というのもその先が見えませんし、やはり現状で構いません。そういうわけで人と話して何かを得たいとも思っていません。むしろ人間の欲深さに呆れて嫌になってしまいます。自分が満足しているので他人の動向にそれほど注目しませんし、悪口を聞かされても人が嫌になるだけです。
結論としては哲学の天才でないなら自分の中で考えたことを誰かが表現してくれていると思います。そういった本を読んだり、他人と話したりすることで安心感を得ることができ人生前向きになるはずです。
以上です。
六月の読書記録
こんばんは。文化人になりたいので詩や短歌を理解しようと思いましたが全く分かりません。昔の人はすごいですね。
7月も半ばに差し掛かるところで6月の話をするのはどうかと思いましたが、幸いにもまだ読書の習慣が続いているので書き記したいと思います。
良い君主とはどのように振る舞うかを指南書形式で書いた本。過去の事例をうまく引用し説得力のある教えをいただけた。社長らは読んでもいいかもしれない。政治学を志す大学生諸氏ならおそらく読んだことがある名著だ。私はそちらの畑ではないので詳しく論ずることはできないが教養を深めたいのならば是非。
二作品目:ロリータ 著者:ウラジミール・ナボコフ
ロリータコンプレックス、略してロリコンの語源となった作品。私はこれが常識だと思っていたのだがそこまでこの事実は浸透していないらしい。30代中盤の男性が12歳の少女に対し性的興奮を覚え、近づいた結果ろくでもない話を生む。とにかく主人公が小児性愛を抜きにしてもどうしようもない男であり、「お前は本当に…」と声を漏らしながら私は読んでいた。小説としての完成度は非常に高く、緻密な文構成、随所に巡らされた知的でユーモラスな表現、伏線の見事さは読後の私を非常に驚かせた。おすすめできる小説だが内容が倫理的に問題ありなので胸の内に秘めておくことにする。
今回は以上です。一気に量が少なくなり読書欲の灯が消えかかっているのではとお感じになられた方もいると思います。私の読む速度が遅いのもありますが六月はアニメ欲の方が強かったのでこのような冊数になったのです。一年で百冊くらい本を読める方ってすごいです。
ありがとうございました。
オクタのアニメセレクション4
こんばんは。暑さに嘆いていたかと思えば今度は雨に悩まされるそんな時期です。雨の切れ目を狙って洗濯機を回す日々です。
4回目のアニメ紹介です。今回はプラネテスです。
幸村誠氏の漫画原作です。前回紹介した「無限のリヴァイアス」と同様、谷口五郎氏監督作品でもあります。宇宙産業が活発な社会で宇宙ゴミを拾う部署(通称デブリ屋)に着任した田名部(タナベ)は先輩の星野八郎太(ハチマキ)の下につき仕事のノウハウを教えてもらう。仕事を通じて様々な出来事を経験しタナベは愛について深く考えるようになる。ハチマキには宇宙船を買って宇宙を旅するという夢をもっており、木星調査の船が出ることを知ったハチマキは夢の一歩としてそれの船員になるために挑戦する。一方そのころ宇宙防衛戦線というテロ組織が暗躍しだして…。といったような話です。基本的にはハチマキが主人公です。漫画版とアニメ版では異なる部分も多いので今回はアニメ版について紹介します。漫画の出来は非常に素晴らしいですよ。
さて私がこの作品で好きなのは主要人物のキャラの掘り下げがうまく、どのキャラにも印象的な話があるところです。さらにその話が心に響くのです。このブログは基本的には「紹介」をすることが趣旨となっているので本編の内容についてはあまり深く入り込まないことにしているので具体的な話はしないようにしています。ですのでその目で見てください。過去に囚われていた男の話が一番好きです。こう書くとどうせ克服したり、背負ったりするんでしょ?と考える方がいるかもしれませんがその心の動きの描写が素晴らしいのです。
もうひとつ優れているところは宇宙の描写です。宇宙空間では音が完全に消えていますし、宇宙自体のきれいさも素晴らしいです。これは谷口五郎氏のこだわりなのでしょうね。
この作品の後半はテロ組織とハチマキが少し関わることになるのですがこの部分はアニメオリジナルで悪い評価もちらほら聞こえます。私自身も前半部に比べると少し路線が変わってこういうのでは…と思ったりしました。正直テロの話を抜きにしても話は問題なく進むのです。漫画版では関わりがなかったてですし。ただ面白いところも、印象深いところもあります。テロ編(?)の最後なんかは非常に素敵です。これがなくなるところ考えると必要!といえます。
最終回はこんなんいいなあとなるでしょう。見てください。
私は漫画版も読みましたが漫画版も素晴らしいですし、どちらかといえばこちらの方が私としては好きかもしれません。もちろんアニメ版も名作です。好みの問題でしょう。
是非見てみてください。